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自転車のランプ・ライト特集
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今回も前回の特集から間が空いてしまいましたが、『自転車のランプ・ライト特集』をしたいと思います。今回は普通に紹介するのではなく少し変わった角度でこの『自転車のランプ・ライト』という物を紹介しようと思います。光を放つ為にはその元となる原料や電源が必要となり、その元によってランプの構造と共に異なります。ロウソクを使用したロウソクランプ。石油やアルコールを燃料としたオイルランプ。化学反応により起こるガスを燃料とするアセチレンランプ。そして時が経つにつれて火によって明かりを灯す時代は終わり、電気によって明かりを灯す時代へと変わって行きます。乾電池によって光を灯す物、そして現代でも使用されているダイナモで発電する方法の大きく分けて5種類あります。今回はこの種類別にランプを紹介していこう思います。

ロウソクランプ

lamp001まずはロウソクランプ。(写真1)はイギリスのPowell&Hanmer社製の”ORACLE"というモデルのロウソクランプである。19世紀の終わり頃の物で自転車のランプとしてはとても古い物である。

lamp002それを分解した写真(写真2)を見てもらうとまず上部と下部に分解することが出来る。下部の下からロウソクを入れ、そしてロウソクを押す為のスプリングを入れて蓋をする。上部と下部を組み合わせ点火窓から火をつける。スプリングによって溶けた分だけロウソクが押し上げられロウソクがなくなるまで使用することが出来る。非常にシンプルな構造ではあるが画期的である。ロウソクの火が消えない為に空気の取り入れ口も確保され、また燃焼後のガスの放出までちゃんと考えられている。しかしその溶けたロウにより使用後のメンテナンスは欠かせない。ロウソクランプには切っても切れないデメリットである。

lamp003次にもう一つ(写真3)のランプを見てもらうとこれも自転車用の国産ロウソクランプである。手提げランプのように見えるが自転車に取り付けるステイがちゃんと付いている。一方のロウソクランプに比べペラペラのブリキに作りは悪く使い勝手も良くない。しかし、この作りの悪さに日本の良さすら感じる。写真では見辛いが、天辺に彫られた鬼の顔がまた日本らしくて良い。手提げランプの発想の延長に作られたものでしょう。国産と外国産の違いが明らかにわかる。



オイルランプ

lamp004オイルランプは非常にシンプルな構造で、アルコールランプを思い描いていただければ良いかと思う。燃料はアルコールや石油などが使われる。(写真4)の右側のランプを見てもらうとオイルを入れるタンクがあるのが見える。そのタンクに燃料を入れアルコールランプと同じ要領でタンクから芯が出ており燃料がその芯に染み、点火によって火が着き光を放つ。(写真4)はいずれもルーカス製のオイルランプである。さて(写真5)のランプは国産のオイルランプでランプの後ろ側にタンクを持ち、その中に脱脂綿のようなものを入れ燃料を染みこませ、これも同じように芯がランプに繋がっている。ライターのジッポと同じである。



アセチレンランプ

アセチレンランプとはオイルランプと違い、タンクを2つ必要とし、ガスによって火が着く仕組みになっている。タンクは上下にあり上には水が入り下のタンクにはカーバイトが入れられる。上のタンクにある水が点滴状にカーバイトのタンクに落ち、その水とカーバイトが化学反応を起こし出来るガスがアセチレンガスである。やわらかい赤色に燃え雰囲気のある光を放ちその光に見せられた人は少なくない。(写真6)アメリカ製20thCenturyGASヘッドランプ(写真7)イギリス製ルーカス別体式アセチレンランプ。

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lamp008※左舷と右舷
今まで紹介したほとんどのランプの左右に(写真8)のような赤と緑のレンズがあるのに気付いたでしょうか?それはみな共通して進行方向の右側に緑、左側に赤のレンズが付いている。これはあくまで私の推測ではあるがもともとは船舶に使われる舷灯から来ているのではないかと思う。船の舵を取る操縦室は船の右側にあり、その右側を右舷いい、それに対し積荷などをする左側を左舷という。そして右舷と左舷は色によって分けられ、右は緑、左は赤と決められている。それが自転車にも用いられたのではないかと推測している。その理由は定かではない。分かり次第機会をみて紹介しようと思っている。


乾電池式ライト

lamp009この前テレビを見ていたところ世界初の乾電池を発明した人物が日本人だという事を知った。その偉大なる人物の名は屋井先蔵。彼が世界初の乾電池を作り明治18年に屋井乾電池として会社を設立した。(写真9)の一番大きい乾電池が、自転車用ではないが屋井乾電池製の乾電池です。おそらく時計や電話などに使われた物であろう。乾電池を初めに作った人物が日本人であったことは驚きである。 さて、本題に戻るが自転車のランプにも乾電池が用いられるようになって、もう一度(写真9)を見てもらうと一番手前にあるのは今もおなじみの単一乾電池。一個の要領が1.5ボルトで2個を直列につなぎ3ボルトとして使用する。そして左の2つ並んでいる四角い乾電池は通称『ヘソ型』とも呼ばれ(写真10)の様にヘソの部分に電球が当たり、電池の横にアースをする部分があり、ランプのボディーに当たるようになっている。これは一つで3ボルトになっている。そして右側の三角柱型の乾電池は『砲弾型ランプ』に使われる。大正12年に松下電器が開発し従来の乾電池式ランプより長持ちさせる為に作られた物である。その砲弾型ランプの名前は『ヱキセルランプ』である。『ヱキセルランプ』のボディーは木で出来ている。(写真11)

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発電機式ライト


現代の自転車にも用いられているのがこの発電機式ランプ。ローラーをタイヤに擦り付け、らせん状に巻かれたコイルの中に永久磁石を回転させることにより電気が発生する。それをダイナモと呼ぶがこの発電ダイナモは乾電池式に比べ電気がなくなることもなく半永久に電気を供給し続けることが出来る。(写真12)


その他の紹介

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ホンダFカブ純正ランプ(日本製)

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ペルマ全照灯&ペルマ発電機(日本製)

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MAMヘッドランプ(日本製)

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オグラ電気(日本製)

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ルーカスNo543(イギリス製)

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Miller538XT(イギリス製)

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BicycleHeadlightNo3(アメリカ製)


いかがだったでしょうか?ランプも時代の流れによって大きく変化し、現代もなお自転車のランプとして活躍しています。また近い将来新しい方法で、より長く、より明るくを実現する日がまた来るかもしれません。
さて次回予告はまだ何をするか決めていないので楽しみにしていてください。
2007/09/15(Sat)21:23 | 特集ギャラリー
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